犬を飼おうかと悩んでいらっしゃる方へ。18年間犬の面倒をマンションで看つづけた経験がその決断において少しでも参考になればと思います。ペット(犬・猫)を家に迎えるときの心構えを実体験よりお伝えいたします。
ペット(犬・猫)を迎えることができる家族でしょうか?
犬や猫は生き物なので、人間に合わせて生活しようと思っても、まったく同じく生きることはできません。子供がほしがるから、一人がさびしいからと言って、ホームセンターで購入した後、部屋に置きっぱなしにできるものではありません。
ペットは何もできない赤ちゃんと同じ
私たちと同じように食べて寝て、排泄し、時には病気もします。ワクチンや法律で決められた注射も、生きている限り必要になります。家に迎えたら、役所に届けなければなりません。
家族旅行や出張で、数日でも誰も家にいなくなるとき、ペットはお水さえ飲めなくなります。一生懸命排泄を我慢し病気になります。
その時、飼いたいといった子供を一人で残して世話をさせて家族旅行に行けるでしょうか?一人暮らしで出張だからといって、何日も家に帰らない中、ペットはどうしているでしょう?
- 誰かが残るのか
- 交代でお散歩させるのか
- 病院やホテルに預けるのか
- ペットも同行させるのか
これらのことは必ず出てくる問題ですよね。それだけではなく、不慮の外出もあり、どうしても家族が全員ペットと一緒にいることができないことがあります。
もし誰かが残ってペットと一緒に過ごし、いつもと変わらない生活をさせてあげられるならば、誰が残るか、決めなければなりません。誰もいないようであれば、その間信頼して頼める
- 知人
- 病院
- ホテル
- シッター
を見つけておかなければなりません。
ペットを飼うことは、時間もお金も今まで以上に失う
家族の生活も、毎日のペットのための時間、費用がかかってきます。
今までは、朝起きて、ご飯を食べて学校や会社に向かう、家事をする、という朝が ペットのためにお散歩やご飯、体を清潔にすることに時間を割くことになります。帰宅しても、在宅していても、天気にかかわらずペットの生活に時間と手間、お金がかかってくるのです。
それができる家族なのか、 留守にする時も、家族以外にお願いするならば、経済的に安くはありませんが、いざというときを考えておく必要があるのです。
現在の東京などでは当たり前のように、ペット同居可のマンションもあり、病院やシッターが面倒を見てくれますが、地方ではまだ行き届かず、やむを得ず放って出かけ、ご近所の人が見かねてせわをしている姿も多く見られます。
虐待とまでは言いませんが、ペットだからいいと思えるでしょうか?
赤ちゃんのオムツを換えるのと同じ。お散歩・食事・排泄物の処理きちんとできる?
今日は気分がよくないからと、お散歩や食事、排泄を我慢させることができるでしょうか?
誰かがやるだろうと、簡単な世話のルールも決めないまま飼い始めるのは、短い期間でペットを手放すことになるかもしれません。
初めて、ペットを迎える家族ならば、想像するだけではなく、実際に飼っている人に尋ねたり、ネットや電話でも病院やホテル、タクシー、シッターの時間や費用を調べてみるのもいいと思います。
毎日のことですから、飼い続けられるか、生活パターンや動きに制限が出てくることを理解した上で迎えてあげると、人間もペットも苦痛に思うことが少しは減るように思います。
ペットにかかる費用の準備はできるでしょうか?
ペットは私たちと同じく、食事、睡眠、排泄、犬ならばお散歩も毎日1-2回ずつ必要です。病気やアレルギー、ワクチン、注射、予防薬、手術も必要な場合があります。 睡眠を除けば、すべてに時間はかかりますし、費用がかかってくる可能性も、覚悟しておきましょう。
残飯を与えるなど、考えられない。犬の食事は人間とは全く違う
食事は人間と同じものを多めに作って与えればいいというわけではありません。各々の動物の生まれながらにして持っている体の成り立ちや、寿命、年齢によって必要な栄養、アレルギーを知ることで食事を準備しなければなりません。
ドッグフードだけ、手作りご飯、と、方針は飼い主それぞれでしょうが、人間と同じものを食べて中毒を起こすことも多々あります。
犬は玉ねぎやチョコレート、牛乳などアレルギーではなく分解できない食品があります。子犬が来たからと、嬉しくてつい牛乳を与えがちですが、それが遠因となり腎臓病になったまま気づかないこともあるようです。
家の中に、お野菜やお菓子を置きっぱなしにしていて、気づいたら食べ物は散乱し、犬は紫色の舌を出して呼吸もかすかになっていることもあります。
塩や砂糖はすべて控え目な食事が犬には良いので、人間の食べ物、特に子供のお菓子などは良い香りで、思わず食べてしまうのです。
体に悪いとか、中毒、アレルギーなどペットが考えるはずもありませんから、人間が、目を配ってやらなければ、気づかないまま、もしくはかわいくてほしがるからと、なんでも与えていると、重症になったり、病院だけではすまないことも多々あります。
犬に与えるお水は水道水が一番
ペットボトルやサーバーでミネラルウォーター(お水)を飲む家庭も多いでしょうが、犬には水道水が一番です。ミネラルウォーターは結石ができやすく
- 膀胱炎
- 尿道
- 尿管
- 腎臓結石
になっている飼い主には、案外ミネラルウォーターを与えている人もいます。これは病気かもしれないと思い口を出してしまった経験ですが、2例挙げたいと思います。
体験1:ピンク色の尿がタオルについた
朝も夕もお散歩はきちんとしていましたが、排泄物には目を配っていなかった犬です。我が家で嬉しくておもらしをしてしまい、ふと見るとピンク色の尿がタオルについたのです。
余計なこととは知りつつも、膀胱炎の可能性を飼い主に伝えたら、すぐに病院に行き、大きな結石を取り除く手術をしました。良心的な獣医でさえ10万円近くの手術代と療養食が月1万円の継続になりました。
体験2:犬が牛乳を毎日飲んでいて腎臓を傷め…
マンション屋上で遊べるスペースがあり、毎朝尿を見ていましたが、牛乳を毎日飲んでいて腎臓を傷めて、早くに亡くなってしまった犬です。
いつも、たまった尿の周りが塩を吹いたように白くなっていたので、私はカルシウムが出ているのかと思っていました。しかしそれは後に分かったことですが、腎臓結石のかけらが出ていたそうです。
犬は牛乳を消化する能力が低いとは知らなかったそうです。食事もパンや飴、チョコレートをおやつに与えていたのです。
どちらも、人間のものを分け与えていたのですが、犬用の食事やおやつ、牛乳を与えていれば、もしかしたら可能性が低くなっていたかもしれないと、飼い主が涙をこぼしていました。
獣医も生活指導まではしてくれませんし、食事もペットショップ、ホームセンターで簡単に買えます。
ペットの種類別、個体差もあります。昔と違い、選ぶことができる食事やサプリメントまでできている今、家族の一員には違いないけれど、食事や水はペットに合わせて準備してあげなければなりません。
アレルギーがわかれば病院や療養食、投薬、水分量なども人間同様に注意しなければなりません。単純に、ご飯を多めに作って分け与えることはできませんから、当然費用もかかります。
ペットの健康についてきちんと管理してください
健康かどうか最低でも1年に1回、シニアになると半年から3カ月に1回は血液検査をしてもらう必要もあります。ペット保険に入るにも、去勢、避妊や年齢の制限もありますし、保険適用の可否、自己負担分は必ずあります。
病気が分かれば、健康保険がありませんから基本的には検査だけでも1-2万円はかかり、治療費も、数万-数十万かかります。歳をとればどんどん病気も出やすくなります。
法律で決められている狂犬病の注射は、毎年1回3,000-3,500円(東京23区内)ワクチンも1年に1回、8種、5種等種類はありますが一万円弱はかかります。蚊の出始める時期4-5月から12月くらいまでは、投薬、注射の別はありますが、フィラリアの予防薬が必要です。
病気にならなくてもこれらは、食事とともに必ずかかってくる費用です。その費用を準備できるかどうか?子供の塾の費用でいっぱいで、ワクチンを打てないのであれば、今はまだ迎える時期ではないかもしれません。
都合のいい時だけ家族で、費用の面ではおもちゃ扱いでは、命の重みをもう一度考えてからのほうがいいと、私個人は思います。最期に見送る時まで費用はかかります。
ペットの寿命と家族の生活設計の中で、どれだけの費用が出せるか、継続できるか準備できるか、とても重要な問題です。迎えてすぐではなく、数年単位での費用計算をして準備しておく必要があると思います。
他人は”ああ、かわいそうだな”と思いながらも、各々の家庭のことなので、口は出しません。ペットはペットで人間ではありませんが、人間より費用がかかることも知っておいてほしいと思います。前述のとおり預ける場合も費用が必ずかかります。
知人でも何かしらのお礼をします。預ける場合、シッターの場合も
- 預け先
- 時期
- 大きさ
- サービス
で、費用は変わります。最低限でも、飼い主の良いと思う方法を選んだ場合の費用も準備できるか、家族で話し合うこと、一人暮らしならば、預貯金を別にしておくことを考えておくのがよいと思います。
何のためのペットか、誰のためのペットか?
子供のころから犬や猫は必ず家にいました。それが当たり前でしたし、子供ながらにストレス解消の相手に最高でした。
でも、責任や費用、時間のことを気にしたこともなく、大切に思うパートナーというより、都合のいい時にだけ触って、意に沿わない行動をとると、怒る相手でした。
確かに死んでしまったら悲しかったですが、そういうものだと思っていました。 明らかに約18年間、生活のパートナーだった犬に対する思いとは違います。
好きなものほしがるものはなんでも与え、不条理に怒り、おそらく、それらのペットにとって子供は、嫌なものだったのではないかと思います。私が飼ってるのではない、と思っていたような遠い記憶があります。
一体あのペットたちは、誰が飼って、何のために我が家にいたのでしょうか?
初めて、私の思いを比べてみました。小学生から高校生までの間に家にいたペットたちは、拾ってきたもの、紛れ込んだもの、近所で生まれた子を分けてもらったもの、父が段ボールに入れて買ってきたものと、さまざまな背景で我が家に暮らすようになった動物たちでした。
健康状態を気にすることもなく、長生きさせようとも思いませんでした。考えてみれば、父が動物好きだったことくらいで、後は、単身赴任や、大学進学で 減っていく家族の代わりに、私の相手をしてくれる、寂しさを紛らわせる存在でしかありませんでした。
狂犬病やワクチンを注射をしていたのか、どこの獣医に かかっていたのか、えさ代がいくらかかっていたか全く知りません。
犬の散歩は両親が行っていたらしいですが、ほとんど記憶にありません。 ネギやニラの入ったハンバーグや餃子、チョコレートも欲しがれば与えました。欲しいといったら了承された、という程度で、やはり日々の世話は両親、メインは 母親が面倒を見ていたのだと思います。
結局、子供にとっては最初に手にいれたときからどんどん興味が薄れていき、 動物でしかなく、食事や排泄の心配など思いもつかなかったのです。
18年間大型犬と1対1で生活したことの意味
それまでの経験と全く異なり パートナーであり、友、家族、母のような存在であり、同時に、私が守らねば ならない存在との、厳しくもあり、一生懸命でもあった宝物だと思います。
今後一つずつ、経験からお書きすることの中には私の失敗談も多くあります。一体ペットとは、何のために存在して、何のため誰のためにいるのか、 くどくなるかもしれませんし、万人に受け入れられるとは思いません。
ただ、ペットを迎えると決めた大人は、その命に責任があり、子供にもその重みと意味を教える責任があると思います。子供がいなくて、飼い始めたとしても、ペットは寂しさを紛らわせるだけの ものではないこと、飼い主だけの命ではないこと。
最期まで見送る責任があることは絶対に忘れてはいけません。ペットがもたらしてくれる宝物、時間や友人、生きる意味、それを身をもって教えてくれるかけがえのない存在なのです。
最後に
ペットを迎え入れる方法はペットショップだけではありません。譲渡会の話など、聞いたことありますか?
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