あなたは月に、もしくは年に、映画館へ何回行かれているのだろうか?ひと昔前と比べて割引サービスがかなり増え、毎月1日のファーストデー、レディースデー、カップル(ペア)デー、映画館独自で展開するサービスのほか、モーニング、レイト、オールナイトのような時間帯もお得だ。なかでも大学生は「時間に融通が利き、学割が利き、18歳未満NGの作品も見られる」という「スーパー優遇」が叶う世代だ。ところが「49.6%(約半数)は月に一度も映画館に行かない」というデータがあり、これでは宝の持ち腐れではないだろうか。
https://gakumado.mynavi.jp/gmd/articles/52280
映画館へ行きやすい条件が整っているのに「行かない理由」は何なのか調べてみると、ダントツが「レンタルで充分」「少し待てばテレビで放映する」という意見。さらに
- SNSの評価で行くほどでもないと思ってしまう
- 一緒に行く相手と映画の趣味が合わない
- 誘ってつまらなかったら肩身が狭い
という合理主義かつ慎重論も見られた。
確かに家庭用テレビは大画面になり、手に収まるスマホやタブレットのモニタでも映像はハイクオリティだ。専用ゴーグルを購入すれば、自宅でVR動画による高い没入感と高揚感も満喫できる。なるほど「わざわざ映画館に行かなくても良い」意見には説得力がある。
しかし、だ。映画館からそっぽを向いているうちに、映画館は「とんでもなくヤバイ波」が上陸し、観客を新感覚ゾーンへと連れている。それが、世界が認め世界が夢中になる、体感型アトラクションシアター「4DX ®」。この最新システムを導入する映画館が続々と増えているのだ。
映画館がテーマパークになる楽しさ!
「4DX ®」を手っ取り早く解説すればこうだ。映画のシーンにシンクロして座席が動き、エアー、ミスト、匂い、フラッシュなどを効果的に体感させる、実に刺激的なシステムが導入されている。テーマパークのアトラクション感覚で、映画を全身で楽しめるのだ。
映画館へ訪れる人が少ない=知らない人が多いとあらば、来たる「G.Wのデートや家族イベント」に提案すれば、面白そう!と食いつきも上々だろう。
しかもテーマパークと違って行列に並ぶ必要がなく、優先パスを先回りする手間もいらず、天候に左右されることもない。システムがいくら斬新でも、そもそも映画鑑賞なのだ。予め当日の座席をとっておけば、幕が上がるまで何らストレスがない。
加えて、静まりかえって鑑賞する従来の映画マナーからも解放されてしまう。映画館全体がアトラクションなのだから、絶叫しても、ビックリ声を発しても、「4DX ®」では仕方がないのだ。
バトルや逃亡、嵐や吹雪、何でも来いや!
座席の動きは上下左右ばかりか、バイブレーションやストップ&ゴーといった多彩な動きで、どんなシーンでも忠実&ダイナミックにシンクロしてくれる。さらに雨、雷、雪だけでなく、スモークやバブルといった幻想的な演出もお手のもの。スクリーンで起こる数々の出来事を、登場人物と同じように味わえるとあって、映画の世界へ深く深く入り込んでいけるだろう。
ここでひとつ断りを入れれば、上映は一般公開作品と同じ。「4DX ®」専用作品を上映するのではなく、話題の最新作を鑑賞するわけで一石二鳥の満足感だ。2Dでも充分ゴキゲンだが、3D上映作品ともなればフィクションとノンフィクションが重なり合う、かつてない感動を味わえることは間違いない。
コスパもコネクションもよし!
「4DX ®」の面白さとワクワク感がイメージできると、気になるのが料金だ。通常の映画作品をまるまる2時間前後楽しめるとなれば、さぞや、と思うだろうが驚くことにコスパも良い。通常料金+たったの1,000円(3Dは+1,300円)。しかも各種サービスデーが適応される映画館がほとんどだ。
これほどハイテクな映画館であれば、「どうせ都心の映画館だけだろう」思われるが、「4DX ®」を導入している映画館は25都道府県と多い(2017年度調べ)。
ユナイテッド・シネマ系、TOHOシネマ系、コロナワールド系、そしてイオンシネマ系など全国に拡大中だ。
埼玉県在住の主婦Aさんは「越谷レイクタウンにあるのは分かる。ローカルでジモティの庭と呼べる新座や若葉に「4DX ®」があると知り、非常に驚かされた」と感想をほど、都会との地域格差が低い点も喜ばしい。大型ショッピングモールとのアクセスが良い映画館も多いため、「4DX ®」鑑賞後どこへ行くかの繋がりもスムーズだ。
4DX ®の体験レポート
実のところ筆者は初の「4DX ®」を体験済みだ。ネタバレを避けるため作品タイトルは明かさないが、ジャンルは「スペースオペラ(宇宙活劇)」。宇宙が舞台であっても、宇宙船でドンパチやりまくる話がメインなのとは異なる。
何でも屋という看板を背負って銀河系をところ狭しと仕事で渡っていくという「実に宇宙生活感あふれる作品」だ。とはいえ科学技術ははるかに進んでいる世界観を描いている。
さて映画がスタートすると、序盤からカーチェイス。宇宙世紀なのでタイヤでなくホバークラフトのような乗り心地で風も感じる。座席が氷上を滑るように動き、時にトリッキーな衝撃に襲われたりもした。
早々気づいたがのが座席の動きは「登場人物の目線」とは限らない。よって意表を突く動きに絶叫マシンの感覚でつい
- わあ
- ぎゃあ
と声にしてしまう。続いて、冷凍睡眠ガスが充満するシーンで煙くなっていく。そのままオープニングに突入し、ベテランが操船する宇宙船の乗り心地を味わった。
何でも屋という仕事柄、ヤバイ依頼ばかりをメインキャストたちは引き受ける。おかげで
- ワープの失敗
- クラブで憂さ晴らし
- 絡まれて大喧嘩
- 奇襲
- 不時着
- ジャングルで巨大生物との肉弾戦
- アジトへの攻撃と脱出
- 沼地での銃撃戦
- 宇宙海賊や宇宙軍とのバトルシーン
- 海岸ハイウェイでの高速ドライブ
など、息つく間もなく2時間以上しっかり体感させてもらった。「4DX ®」がもつ演出機能を巧みに各シーンへ嵌め込み、フルに使い切った印象。映画を2倍も3倍も楽しませてもらえた。
最後に
映画館特有の暗い密室であることも相乗効果で、その動きや演出は思った以上にハードと言っても過言ではなく、注意事項はしっかり守りたい。
- 身長が100㎝未満
- 妊娠中
- 心臓・首・背中・腰などに障害がある
- 特別な疾病
- 乗り物酔いしやすい
- 高齢者
- 体調に不安がある
これらに該当しないことが条件だ。そして10歳未満は保護者同伴で鑑賞しよう。館内販売の飲み物はOKと言われているが、初見だと何が起こるかほぼ先読みが不可能なため、あまりおすすめできない。水飛沫が飛んできて、ポップコーンが濡れてしまう場合だってあるからだ。
ちなみに「4DX ®」と似た「MX4D」も体感型アトラクションシアターである。前者を開発したのが韓国、後者がアメリカであることと演出数が少し多く、料金も若干上がる。ただ体験者のいち意見からすると、演出の数より「映画のシーンとどれだけフィットしているか」が肝だろう。
ミストを例に挙げれば、
- 雨
- 波しぶき
- 汗
- 噴水
- シャンペンシャワー
- 毒
- 泥はね
といったどんな演出に使い分けるかはクリエーターの腕次第。単純に動かせばいい、とりあえず光らせればいい、ではむしろ映画を安っぽくしてしまい興醒めである。
「気になる!見てみたい!」と思ったら、まずは上映作品をチェックして欲しい。もし誘う相手がいたら(特に彼女)、普段それほど興味のないアクション作品やSFものをあえて選んでみるといい。テレビやレンタルでは決して得られない、未知なる感動に出会わせてくれるだろう。
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